個人教室のトラブルの一つに「月謝滞納」という問題があります。
残念ながら、少なくはないんですよね。
毎月の月謝は、引き落としでは決済手数料がかかることから、個人教室の場合、月謝袋での現金納入制が多いかと思います。
これがトラブルを招くと言われればそれまでなのですが、規約をお渡ししていても、やはり滞納、未納の方がいるのは確か・・・。
「習い事をする」という現場で、お金でのトラブルは避けたいものです。
月謝滞納トラブルを防ぐために、また起きた時の対処法としてどのようなことがあるでしょうか?
関連記事:〇〇教室と「保護者とのトラブル」あるある4つとその対処法~事前対策が大事!!
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入会時の説明は必須
ピアノ教室ではなくとも、入会時に教室規約を渡し、ご説明はされていると存じます。
明確に記載された文書に沿って話すことが必要です。

・毎日のこと
・レッスン当日のこと
・レッスン時間、回数のこと
・月謝納入について(期日、金額など)
・振替レッスンについて
・(必要であれば)駐車場について
最低限、これだけは絶対にお話ししておかなければいけないことです。
たとえ、言いにくくてもです!
きちんとご説明し質疑応答を行い、両者合意のもとでレッスンを始めるべきです。
保護者の皆様、案外、流し聞きされている方が多いです。
レッスン開始をソワソワと待つ子供が気になったり、
下の弟、妹さんが気になって、必要なことに限って聞いていらっしゃらないこともしばしば・・。
口頭で話すだけでは不十分ですので、必ず文書を作りましょう。
また、ホームページがあれば、そちらにも記載されると良いですね。
後々のトラブル防止にもなります。
月謝について
お金のことは本当に言いにくいことです。
しかし、一番揉め事になる原因でもあるので、必ず、短縮せずに話してください。
・納入期限
月初め、月終わり、前月終わり、いつ納入するのかをはっきりと指示すること。
・納入方法
月謝袋に入れて渡す、レッスンを受けるのが小さな子供さんの場合は保護者からいただくなどの指示を明確にすること。
・未納の場合の連絡について
期限までに納入されない時の連絡方法について伝えておくと、生徒さん側も落ち着いて対処されます。
・滞納が続いた場合の対処
2ヶ月で自動退会になるなど、教室の対処をきちんと伝えておく
「このくらいはわかるだろう」という気持ちを持つのはとても危険です。
人はそれぞれ常識が異なるからです。
わかるだろうことも、ゼロから説明しておくことが大切なんです。
自分の常識が相手に100%伝わるとは限りませんからね。
曖昧な説明ほど、トラブルを引き起こしますので漏れのないご説明を!!
お金に関することは、皆さんとてもシビアですので、こちら側もシビアに説明することが不可欠ですよ。
関連記事:月謝の料金設定で教室の未来が変わる ~ 教室経営者が考えるべきこと
期限を過ぎても支払われない場合
生徒さんが大人なら本人、子供なら保護者にはっきりと、速やかに伝えるべきです。
「月謝が未納になっていますのでお支払いください」と。
入会時の説明が明確であれば、お伝えできますよね。
時間の経過とともに、どんどん切り出しにくくなります。
期限を過ぎた時点で、はっきりお伝えすることがトラブルを防ぐポイントかと感じます。
子供さんのレッスンで、保護者がいらっしゃってない場合は、お電話で伝えましょう。
「来週持ってくるかも?」などと後回しにすると、今後期限が曖昧になってしまいます。
例を挙げるなら。
レストランで食事をしました。
完食しているのに、お金を払わずに帰ってしまった・・・( ;∀;)
と同じことなのです。
当然、レストラン側から請求されますよね?
レッスンや習い事も同じこと。
持参するのを忘れていたのなら、一言声かけをすれば良いだけです。
入会時の対応ができていれば、大きな問題には発展しません。
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お金の問題はクリアーに
たとえ、お月謝でも「お金」は「お金」
トラブルになれば、お互いが嫌な気持ちを味わうことになります。
トラブルを防ぐための手段として「はっきりとお話をする」ということが大切なんです。
言いにくいから・・
嫌な表情をされるかも知れないから・・
などと考えていては、逆効果です。
良い関係を築くために、レッスンに集中するためにもお金の問題はいつもクリアーにしておきましょう。
では、連絡がとれない場合はどうなるのでしょうか?
驚かれるかも知れませんが、3ヵ月以上滞納してレッスンに来なくなるケースもあります。
(実際に数件ありました・・)
悪質だと思われる場合は、法的手段の利用も考えられます。
月謝のように小額の場合は、申立人の申立てのみに基づいて、簡易裁判所の書記官が相手方に金銭の支払いを命じる「支払督促」という手段を使うことができるんです。
*裁判所に出向く必要はありません
書類審査のみで行われる手続で、利用者が訴訟などのように裁判所に出向いたり、証拠を提出したりする必要がありません。*裁判所に納める手数料が、訴訟の半分になります
支払督促の手数料は、訴訟の半分です。例えば、100万円の支払いを求める場合、裁判所に納める手数料は、民事訴訟では10,000円ですが、支払督促では半分の5,000円になります。*申立人の申立てのみに基づいて、簡易裁判所の書記官が金銭の支払いを命じます
申立人の申立てに基づいて、裁判所書記官がその内容を審査し、相手方の言い分を聞かないで金銭の支払いを命じる「支払督促」を発付します。*「仮執行宣言付支払督促」により強制執行を申し立てられます
発付された支払督促を送っても、相手方がお金を支払わず、異議申立てもしない場合、申立人は支払督促に対して仮執行宣言を発付してもらい、強制執行を申し立てることができます。
最近では、数ヶ月滞納の後「辞めます」と申告されるケースも珍しくなく、レッスンに通われた分の月謝を請求すると連絡がつかなくなることってあるのです。
場合によっては、このような対処法もあるということを知っておかれると良いですね。
やってはいけない対応
月謝滞納のトラブルを避けたいのであれば、曖昧な対応は絶対に避けるべきです。
*一度限りだから
いつもは期限を守って納入されているし、一回だけだからいいだろうと甘く考えるのは厳禁。
前例を作ってしまうことになります。
いつだって毅然と対応されてください。
*生徒さんによって対応が違う
信頼性があると思う方にだけ延滞、滞納を「いいですよ~」と許すことがあってはいけません。
信頼があるからこそ、その信頼を崩さないために規約を守るということを徹底するべきです。
皆様に同じ対応を。
*相手の条件を受け入れる
人それぞれに大変な状況はあるもの。
例えば。
・給料日までお金がない
・急な出費で月謝の分を回した
・銀行から下ろすのを忘れた
など、滞納の理由を聞けばキリがないと思うのです。
皆さん平等にするため、トラブルを防ぐためには生徒さんの条件等を受け入れることのないようにしたいですね。
規約から外れてしまうことは避け、何事も例外を作らないことが大切です。
「お金のことはシビアに」を忘れずに対応をしたいものです。
月謝滞納の対処法として
金銭トラブルは嫌ですが、保護者に対しての説明もうまくできないという方には「引き落とし」をおすすめいたします。
入会時に手続きをしていただければ、毎月自動的に月謝が引き落とされるシステムです。
デメリットを言えば、手数料がかかりますが、トラブル回避料金と考えれば良いのです。
口座引き落としでしたら、毎月「未納」をお伝えすることもありませんし、直接金銭のやりとりが生じないため、先生側の心労はなくなるわけです。
実際に、個人教室で月謝の「口座引き落とし」制度を取り入れていらっしゃる方も多く存在します。
心痛める事柄が減ることは確実ですよね。 考え方次第!!
いかがでしたか?
月謝滞納トラブルを防ぐための対処法としては「事前に伝える」「はっきりと話す」ということだと考えています。
大切なお金の話だからこそ、最初にはっきりとお話しておくことで先生も生徒さんもスムーズなレッスンライフを過ごすことができると感じます。
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月謝滞納という【お金】のトラブルを防ぐためにできること!を最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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